肺気腫


SさんとO医師の対談形式で、肺気腫の症状、原因、治療方法、肺がんのリスク、そして禁煙のメリットについてお話しします。

 

Sさん:最近、息切れが続いています。肺気腫の可能性はありますか?

O医師:息切れは肺気腫の主な症状の一つです。肺気腫は、肺の組織が破壊され、呼吸が困難になる疾患です。進行すると、慢性的な咳や痰も見られます。

Sさん:原因は何でしょうか?

O医師:最も一般的な原因は喫煙です。喫煙は肺胞を破壊し、肺気腫のリスクを高めます。他にも、大気汚染や特定の職業的な化学物質への長期曝露が原因となることがあります。

Sさん:治療法はありますか?

O医師:治療の基本は禁煙です。禁煙により、肺機能の低下を遅らせ、症状を改善できます。また、吸入薬や内服薬で症状を緩和し、呼吸リハビリテーションで呼吸筋を強化することも有効です。

Sさん:吸入薬にはどのようなものがありますか?

O医師:肺気腫の治療において、吸入薬は中心的な役割を果たします。これらの薬剤は、気道を拡張し、呼吸を容易にすることで症状の緩和を目指します。

・長時間作用性抗コリン薬(LAMA

気管支の筋肉を弛緩させ、気道を拡張することで呼吸を楽にします。主な副作用として、口渇や便秘が挙げられます。

・長時間作用性β2刺激薬(LABA

気管支の平滑筋を弛緩させ、気道を拡張します。これにより、呼吸困難や喘鳴などの症状を軽減します。副作用として、動悸や手の震えが報告されています。

LAMALABAの配合薬、LAMA/LABAとステロイドの配合薬

異なる作用機序を持つ2つの薬剤を組み合わせることで、より効果的に気道を拡張し、症状を緩和します。さらに、吸入ステロイド薬も組み合わせた吸入薬は気道の炎症を改善させ、症状の安定化につながる可能性があります。

Sさん:肺気腫は肺がんのリスクを高めますか?

O医師:はい、肺気腫の患者は肺がんのリスクが高まります。肺気腫の患者は、肺気腫のない喫煙者と比較して、肺がんを発症するリスクが34倍高いと報告されています。さらに、肺気腫患者の約1020%が肺がんを合併することが知られています。これらのデータから、肺気腫患者は非喫煙者と比較して、肺がんのリスクがさらに高まると考えられます。

Sさん:禁煙すると、どのようなメリットがありますか?

O医師:禁煙は肺機能の低下を遅らせ、COPDの症状を改善し、生存期間を延長する効果があります。また、肺がんのリスクも低下します。禁煙はCOPD治療の基本であり、早期の禁煙が推奨されます。

Sさん:禁煙しても、肺機能の低下は続くのでしょうか?

O医師:禁煙後も肺機能の低下が完全に止まるわけではありませんが、低下の速度は遅くなります。禁煙は肺機能の維持と全身の健康にとって非常に重要です。


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