片頭痛


Sさん:最近、頭の片側がズキズキ痛むことが増えました。光や音に敏感になったり、吐き気を感じることもあります。これは片頭痛でしょうか?

O医師:その症状は片頭痛の可能性がありますね。片頭痛は、主に以下のような特徴を持つ頭痛です。

  • 頭の片側にズキズキとした痛みがある(両側の場合もあり)
  • 痛みが472時間続く
  • 体を動かすと痛みが悪化する
  • 吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏が伴う

これらのうち3つ以上当てはまる場合は、片頭痛の可能性が高いですね。

Sさん:なるほど。片頭痛と緊張型頭痛の違いは何ですか?

O医師:片頭痛はズキズキとした痛みで、光や音の過敏、吐き気を伴うことが特徴です。一方、緊張型頭痛は頭全体が締めつけられるような鈍い痛みが特徴で、肩こりやストレスと関係が深いですね。

Sさん:片頭痛の治療にはどのような薬が使われますか?

O医師:片頭痛の治療薬は、大きく分けて発作時の治療薬(急性期治療薬)と予防薬2種類があります。

発作時の治療薬(急性期治療薬)

片頭痛の発作が起きたときに痛みを抑える薬です。

Sさん:トリプタン系の薬はよく聞きますが、ゲパン系というのは初めて知りました。

O医師:ゲパン系は比較的新しい薬で、トリプタンのように血管を収縮させないため、高血圧や心血管系のリスクがある人にも使いやすいですね。

 予防薬(発作を減らすための薬)

片頭痛が月に3回以上ある場合は、予防薬を使うことで発作の回数や重症度を減らすことができます。

Sさん:エムガルディ®などの注射薬はどのように使うのですか?

O医師:エムガルディ®(エレヌマブ)などの抗CGRP抗体製剤は、1回の自己注射で使います。トリプタンなどの薬が効きにくい人や、発作の頻度が多い人に適しています。副作用も比較的少なく、長期間の予防に向いています。

Sさん:自己注射なんですね!トリプタンが効かない人にも効果があるなら安心ですね。

O医師:ただ、注射による痛みがとても強いことが難点です。海外では経口のCGRP抗体製剤(Atogepant)が承認されており、今後日本でも使用できるようになることが期待されています。

片頭痛の予防方法

Sさん:薬以外で片頭痛を予防する方法はありますか?

O医師:はい。片頭痛の発作は、生活習慣や食べ物の影響も大きいので、以下のポイントに気をつけると予防しやすくなります。

 規則正しい生活を心がける

  • 睡眠のリズムを整える(寝すぎ・寝不足に注意)
  • ストレスをためない(リラクゼーションや適度な運動を取り入れる)
  • 食事を抜かない(血糖値の急な変動が片頭痛を誘発する)

 片頭痛を誘発する食べ物を避ける

  • アルコール(特に赤ワイン)
  • チョコレート
  • チーズ(熟成されたもの)
  • カフェインの摂りすぎ

 適度な運動を取り入れる

  • 軽いウォーキングやヨガは片頭痛の予防に役立ちます。ただし、激しい運動は逆に片頭痛を引き起こすことがあるので注意が必要です。

Sさん:片頭痛にはいろいろな治療法や予防策があるんですね。自分の症状に合った方法を見つけることが大事ですね。

O医師:その通りです。片頭痛は適切な治療でコントロールできますので、症状がつらい場合は遠慮せずに受診してください。

Sさん:ありがとうございます!自分に合った治療法を見つけて、片頭痛とうまく付き合っていきたいと思います。

O医師:それが大切ですね。日々の生活習慣も見直しながら、うまく片頭痛を管理していきましょう。


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