高血圧症


高血圧は、適切な診断と治療、そして予防が重要な疾患です。以下に、専門医とのインタビュー形式でその詳細をお伝えします。

 

Sさん:まず、高血圧とはどのような状態を指すのでしょうか?

O医師:高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて持続的に高い状態を指します。具体的には、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。

Sさん:高血圧の診断はどのように行われるのでしょうか?

O医師:診断は、複数回の血圧測定によって行われます。診察室での測定だけでなく、家庭での血圧測定が重要です。また、24時間血圧計を用いた持続的な血圧測定(ABPM)も有用です。

Sさん:高血圧の治療方法について教えてください。

O医師:治療は大きく分けて、生活習慣の改善と薬物療法の二つがあります。生活習慣の改善としては、以下の点が挙げられます。

  1. 減塩:食塩摂取量を16g未満に抑えることが推奨されています。
  2. バランスの良い食事:野菜や果物を積極的に摂取(DASH食)し、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控える。
  3. 適正体重の維持BMI25未満の体重を維持することが推奨されています。
  4. 適度な運動:軽度から中等度の有酸素運動を毎日30分、または週に180分以上行うことが推奨されています。
  5. 節酒:男性はエタノールとして2030ml/日以下、女性は1020ml/日以下に制限することが推奨されています。 
  6. 禁煙:喫煙は高血圧のリスクを高めるため、禁煙が強く推奨されます。  

これらの生活習慣の改善を行っても血圧が目標値に達しない場合、医師の判断で降圧薬の投与が検討されます。

Sさん:収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上を超えるとすぐに治療が必要ですか?

O医師:収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上を超える場合は、早期の降圧薬内服治療が推奨されています。超えていない場合はまずは生活習慣の改善を優先し、月単位で改善しない場合は薬物治療を考慮します。

Sさん:具体的に高血圧を放っておくとどのような病気にかかりますか?

O医師:スライドのように特にいわれているのは脳卒中です。血圧が20mmHg上がるごとに脳卒中リスクは2倍ずつ上昇するといわれています。また認知症との関連も報告されており、高血圧の方は正常血圧の方と比べるとAlzheimer型認知症のリスクが高いとわれています。その他にも、「心筋梗塞」「腎不全」「下肢動脈閉塞症」「大動脈解離」など動脈硬化に関わる疾患のリスクが高まります。

Sさん:高血圧の予防方法についても教えてください。

O医師:予防も基本的には先ほどの生活習慣の改善と同様です。特に、食塩の過剰摂取は高血圧の主要な原因とされていますので、日頃から減塩を心がけることが重要です。 また、バランスの良い食事や適度な運動、適正体重の維持、禁煙なども高血圧の予防に有効です。

Sさん:生活習慣の改善以外に注意すべき点はありますか?

O医師:はい。ストレスの管理や十分な睡眠も血圧のコントロールに影響を与えます。また「二次性高血圧」といって、実は別の病気が隠れていて、血圧が上昇している場合があります。特に多いといわれているのは、「ホルモン異常」「睡眠時無呼吸症候群」、「腎動脈狭窄症」などの病気が原因となって高血圧になっている場合があるので、一度クリニックに受診して相談することをお勧めします 。

Sさん:最後に、患者の皆さんにメッセージをお願いします。

O医師:高血圧は自覚症状が少ないため、知らないうちに進行することがあります。しかし、適切な生活習慣の維持と定期的な血圧測定で予防・管理が可能です。日々の生活を見直し、健康的な生活を心がけましょう。


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