糖尿病


糖尿病は、適切な診断と治療、そして予防が重要な疾患です。以下に、専門医とのインタビュー形式でその詳細をお伝えします。

 

Sさん:まず、糖尿病とはどのような状態を指すのでしょうか?

O医師:糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く疾患です。これは、インスリンの分泌不足や作用不全により、血糖が適切に利用されないことが原因です。糖尿病は主に1型と2型に分類され、1型は自己免疫によるインスリン分泌の欠乏、2型は生活習慣や遺伝的要因によるインスリン抵抗性が主な原因とされています。

Sさん:糖尿病の初期症状にはどのようなものがありますか?

O医師:初期段階では自覚症状がない場合が多いですが、以下のような症状が現れることがあります。

  • 多尿:尿の回数や量が増える。
  • 口渇:喉の渇きを感じ、水分を多く摂取する。
  • 多食:食欲が増加し、食事量が増える。
  • 体重減少:食事量が増えても体重が減少する。
  • 疲労感:全身の倦怠感や疲れやすさを感じる。
  • 視力低下:視界がぼやけるなどの視覚障害。

これらの症状が出現した場合は、医療機関での検査を受けることが重要です。

Sさん:糖尿病の診断はどのように行われるのでしょうか?

O医師:診断は主に以下の検査結果に基づいて行われます。

  • 空腹時血糖値8時間以上の絶食後の血糖値が126 mg/dL以上
  • 随時血糖値:任意の時間に測定した血糖値が200 mg/dL以上で、糖尿病の典型的な症状がある場合。
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT:ブドウ糖溶液を飲んだ2時間後の血糖値が200 mg/dL以上
  • HbA1c:過去12ヶ月の平均血糖値を反映する指標で、6.5%以上

Sさん:糖尿病の治療方法について教えてください。

O医師:治療は大きく分けて、生活習慣の改善と薬物療法の二つがあります。生活習慣の改善としては、以下の点が挙げられます。

  • 食事療法:バランスの取れた食事を心がけ、カロリーや糖分の摂取量をコントロールします。
  • 運動療法:個々の生活スタイルに合わせて、医師や専門家と相談しながら運動プランを立てます。

これらの生活習慣の改善を行っても血糖値が目標値に達しない場合、医師の判断で経口血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法が検討されます。

Sさん:糖尿病のコントロール目標値はどのように設定されるのでしょうか?

O医師:コントロール目標値は、患者の年齢、罹病期間、合併症の有無、低血糖のリスク、サポート体制などを考慮し、個別に設定することが重要です。一般的な目標値として、HbA1c値を7.0%未満とすることが推奨されています。ただし、適切な食事療法や運動療法で達成可能な場合や、薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合は、HbA1c値を6.0%未満とすることが目標とされます。一方、低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合は、HbA1c値を8.0%未満とすることが目標とされます。高齢者糖尿病患者においては、認知機能や日常生活動作(ADL)、併存疾患などを考慮し、個別に目標を設定することが推奨されています。

Sさん:糖尿病の予防方法についても教えてください。

O医師:予防も基本的には先ほどの生活習慣の改善と同様です。特に、バランスの良い食事や適度な運動、適正体重の維持、禁煙などが糖尿病の予防に有効です。また、定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療が可能となります。

Sさん:生活習慣の改善以外に注意すべき点はありますか?

O医師:はい。糖尿病の管理には、生活習慣の改善に加えて、以下の点にも注意が必要です。

  1. 定期的な血糖値のモニタリング:血糖値を定期的に測定し、自己管理を行うことで、血糖コントロールの状況を把握しやすくなります。
  2. 定期的な医療機関での検査:合併症の早期発見のために、定期的な検査を受けることが重要です。
  3. 適切な薬物療法:医師の指示に従い、適切な薬物療法を継続することが大切です。

 

Sさん:最後に、患者の皆さんにメッセージをお願いします。

 

O医師:糖尿病は適切な管理と生活習慣の改善でコントロール可能な疾患です。定期的な検査と自己管理を行い、健康的な生活を送りましょう。


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